店長カスタムとは？トロフィーが出ない理由と攻略法

スロットを打っていて、高設定挙動なのにトロフィーが出ない。そんな経験をして、不安になったことはありませんか。近年のパチスロ、特にスマスロや6.5号機においては、店長カスタムという機能が搭載されている機種が増えています。

この機能の存在により、ホール側は意図的に設定示唆演出を出すことができるようになりました。しかし、この仕組みを正しく理解していないと、せっかくの高設定を捨ててしまったり、逆に罠にはまってしまったりすることがあります。

今回は、店長カスタムとは一体何なのか、そしてなぜカスタムが入っているはずなのにトロフィーが出ないのかについて、メーカーごとの違いやホールの心理戦まで含めて徹底的に解説します。これを読めば、謎に包まれたトロフィー出現の裏側がすべて分かります。

第1章：店長カスタムとは何か？その基本と仕組み

まず、店長カスタムとはという基本的な疑問から解消していきましょう。店長カスタムとは、パチンコホールの店長や管理者が、スロット台の設定変更時などに、サミートロフィーなどの設定示唆演出の出現率やタイミングを任意で設定できる機能のことです。

これまでのスロットは、設定示唆が出るかどうかは運次第でした。数千ゲーム回しても何も出ないこともあれば、朝一の初当たりであっさり出ることもありました。しかし、店長カスタムの導入により、店側はここぞというタイミングでトロフィーを出し、客に設定が入っていることをアピールできるようになったのです。

この機能は、イベント日に朝から全台系をアピールしたい場合や、夜からの稼働を伸ばしたい場合などに戦略的に使用されます。しかし、逆に言えば、店側が出そうと思わない限り、トロフィーが出ない状況を作り出すことも可能になったということです。

第2章：メーカー別店長カスタムの仕様と違い

店長カスタムとは、すべての機種で同じ仕様ではありません。メーカーによって、ゲーム数で管理するものや、時間で管理するものなど、仕組みが異なります。ここを理解していないと、トロフィーが出ない理由を誤解してしまいます。

1. ゲーム数管理型（サミー、ビスティ、スパイキーなど） 主にサミー系の機種（北斗の拳、カバネリ、東京グールなど）に搭載されています。これらは基本的に1000ゲーム区切りでカスタムを設定します。

   例えば、0ゲームから1000ゲームの間、1001ゲームから2000ゲームの間といった具合です。指定した区間内で条件（ボーナス終了やAT終了など）を満たすと、設定されたカスタム内容に応じてトロフィーが出現します。

2. 時間管理型（エンターライズ、山佐、ユニバーサルなど） こちらはゲーム数ではなく、時計の時間で管理されます。エンターライズ（モンスターハンター、バイオハザードなど）は、基本的に3時間おきの区切りになっています。9時から11時59分、12時から14時59分、といった具合です。

   山佐（ゴッドイーターなど）は、4時間おきの設定になっていることが多いです。8時から11時59分、12時から15時59分などです。ちなみに、同じ山佐でもモンキーターンVには店長カスタムが搭載されていないと言われていますので注意が必要です。 ユニバーサル（バジリスク、まどかマギカなど）は、店側が好きな時間を細かく指定できるタイプが多く、例えば12時から13時の間だけ出す、といったピンポイントな運用も可能です。

第3章：店長カスタムなのにトロフィーが出ない5つの理由

ここからが本題です。今日はイベント日だし、店長カスタムが入っているはずだ。それなのに、なぜ自分の台だけトロフィーが出ないのか。その理由を具体的に解説します。

理由1：区間のすり抜け これが最も多いトロフィーが出ない理由です。ゲーム数管理型の場合、指定された区間内でボーナス等の終了画面を迎える必要があります。

例えば、店長が1001ゲームから2000ゲームの区間に虹トロフィーが出るカスタムを設定していたとします。あなたが950ゲームで当たり、980ゲームで終了した場合、まだ区間に入っていないので店長カスタムは出ません。次にハマって2050ゲームで当たった場合、今度は区間を過ぎてしまっているので出ません。こ

のように、カスタムされた区間をまたいで終了画面を出さないと、恩恵は受けられないのです。これをすり抜けと呼びます。

理由2：時間外の稼働 時間管理型の場合も同様です。例えば12時から15時の間にカスタムが入っていたとしても、あなたがボーナスを引いて終了画面が出たのが11時58分や15時01分であれば、対象外となります。

ユニバーサルのように店が自由に時間を決められる機種では、客が予想もしないような短い時間帯に設定されている可能性もあり、その時間帯に当てなければトロフィーが出ないことになります。

理由3：機種特有のトロフィー種類の欠如 サミーのスマスロ北斗の拳などが良い例です。北斗の拳には、銅トロフィー（設定2以上）や銀トロフィー（設定3以上）が存在しません。金（設定4以上）、キリン（設定5以上）、虹（設定6）の3種類のみです。

もし店長が、設定2の台に対して銅トロフィーが出るカスタムを入れたとしても、北斗には銅トロフィーがないため、何も出ません。また、設定4の台に最低ランクのカスタムを入れた場合、金トロフィーが出ますが、設定2の台に同じカスタムを入れても、設定2では金トロフィーが出せないため、やはり何も出ないことになります。 カバネリでは銅が出たのに北斗では出ない、という場合は、単に機種の仕様上、表示できるトロフィーがないから出ないだけという可能性があります。

理由4：店側の戦略的なLv1運用 店長カスタムとは、必ず使わなければならないものではありません。あえてカスタムを使わず、デフォルトの出現率（Lv1）で運用することも立派な戦略です。これを焦らし作戦と呼ぶこともあります。

朝一から虹トロフィーが出てしまえば、プロはその台を終日回しますが、判別が終わった瞬間に周りの客がこれはないなと判断して帰ってしまうリスクがあります。稼働を維持するために、あえて朝はトロフィーが出ないようにし、客に挙動や小役確率で推測させ、長く回してもらう。

そういった店長の意図が働いている場合、高設定であっても夕方までトロフィーが出ないことは珍しくありません。

理由5：そもそも設定が入っていない 残酷な現実ですが、店長カスタムで最高設定のトロフィーが出るように設定していても、台の内部設定が低ければ、強い色は出ません。カスタムはあくまでその設定で出せる最高の色を出すものです。

設定1の台に虹トロフィーカスタムを入れても、設定1が出せる最高の色（存在しない）しか出ないので、結果として何も出ません。 特にサミー系で銅トロフィーすら出ない場合は、設定1の可能性を考慮する必要があります。

第4章：店長カスタムの裏側にある心理戦

店長カスタムとは、単なる設定示唆ツールではなく、ホールと客との心理戦の武器です。店側がどのように考えてカスタムを使っているのか、その裏側を知ることで、トロフィーが出ない状況下での立ち回りが変わります。

全台系のフェイクとしての利用：イベントなどで全台系を装うために、あえて目立つ場所の1台だけ朝一から虹トロフィーを出すことがあります。これを見た客は、周りの台も当たりだと錯覚して稼働します。しかし、実際は虹が出た台以外は低設定、あるいは中間設定というケースがあります。 自分の台のトロフィーが出ない時、周りで出ているから自分も大丈夫と思い込むのは危険です。店側は、1台のトロフィーを餌に、島全体の稼働を上げようとしているのかもしれません。

銀トロフィーの罠：サミー系機種などで銀トロフィー（設定3以上）が頻発する場合、喜んではいけません。設定3は、ホール側にとって客に期待を持たせつつ利益も取れる都合の良い設定です。 店長カスタムで銀トロフィーが出るように設定されている場合、それは設定3であることを示唆している可能性が高いです。設定4以上であれば、金トロフィー以上のアピールをしたいはずです。あえて銀トロフィーしか出ない状況は、設定3を使って粘らせようとしているホールの意図であると疑うべきです。

7000ゲームの答え合わせ：多くのホールで採用されているのが、7000ゲーム以降の区間にカスタムを入れる手法です。これは、一日粘って回してくれた客への感謝の答え合わせという意味合いや、夜から打ちに来るサラリーマン層へのアピールとして機能します。 朝や昼にトロフィーが出ないからといって、すぐに低設定と決めつけるのは早計です。その店が夜に強い店なのか、過去のデータから傾向を掴むことが重要です。

第5章：トロフィーが出ない時の実践的攻略法

ここまで解説してきた通り、店長カスタムがあってもトロフィーが出ない理由は様々です。では、実際に出ない時はどのように立ち回れば良いのでしょうか。

まずは、確定演出以外の要素を総合的に見ることです。トロフィーはあくまで答え合わせです。小役確率、CZの当選率、特定の終了画面（トロフィー以外）など、機種ごとの判別要素をしっかりとカウントしましょう。トロフィーが出ない時間帯こそ、スロッターとしての実力が試されます。

次に、店の店長カスタムの癖を把握することです。あの店はサミー系なら朝一1000ゲーム以内に必ず銅トロフィーを出す、あの店はエンターライズ系ならお昼の12時に出しやすい、といった傾向は必ずあります。SNSやデータサイトを活用し、過去に高設定だった台がいつトロフィーを出したかを分析しましょう。

そして、自分の台の設定が設定4以上あるかどうかの見極めに集中してください。特にサミー系で金トロフィーが連続して出る場合、それは設定4の可能性が高まります。

例えばカバネリのようにトロフィーの種類が多い機種で、金トロフィーが4回連続で出たとします。もし設定6でランダムなカスタムにしていれば、虹やキリンが出る可能性もあるはずです。それなのに金ばかり続くのは、設定4に対して最高ランクのカスタムを入れているから（設定4の限界が金だから）という推測が成り立ちます。

逆に北斗の拳の場合は、設定6でも金が最低ラインのカスタムになることがあるため、金連続でも設定6の可能性が残ります。このように、機種ごとの特性と出方のパターンを照らし合わせることが攻略の鍵です。

まとめ

店長カスタムとは、ホールが設定示唆をコントロールする機能であり、メーカーによってゲーム数管理や時間管理などの違いがあります。 トロフィーが出ない理由は、単に設定が悪いからだけではありません。指定された区間のすり抜け、時間外の稼働、機種特有の仕様、そして店側の焦らし戦略など、多くの要因が絡み合っています。

トロフィーが出ないからといって思考停止するのではなく、なぜ出ないのか、今はどの区間にいるのか、店長はどのような意図でカスタムを組んでいるのかを推測することが、現代のスロットで勝ち残るための必須スキルです。

この記事で解説した知識を武器に、見えない設定を見抜く力を養ってください。トロフィーは待つものではなく、店長の心理を読んで掴み取るものです。